高齢化で在宅医療を必要とする人が増加する中、訪問看護師の需要も右肩上がりになっている。では、そんな訪問看護に向いている人とはどんな人なのだろうか。まず、訪問看護の特徴を考えると自ずと答えがでてくる。訪問看護の特徴とは、自宅での療養生活をサポートする事だ。病院では、患者が病院の規則に従いそれに合わせて生活を変えていかなければならない。しかし自宅療養は、それぞれの家のルールに合わせて医療面のサポートを行っていくことになる。患者さんの家の間取りから、家族の対処、その他に関わる医療従事者とのやりとりなど病院勤務では経験していない部分が業務になる事も珍しくない。

それを踏まえて、まず向いている人の特徴として臨機応変に対応することができる人が挙げられる。訪問看護師は、患者の自宅という環境で看護しなくてはならない。状況が変わっても、瞬時に判断し、必要なコミュニケーションがとれる人なら訪問看護師に向いている。次に挙げられるのが、人と深く関わるのが好きな人だ。深く関わるとは、疾患を治す以外にも患者さんに対して興味を持てるかどうかを指す。色々な方の訪問看護を担当するにあたり、その疾患の治療法が無かったり、治らないことがわかっているケースもある。それでも、訪問看護を担当している限り、相手を少しでも癒すために、笑顔でたわいもない会話をしたり、困っていることを聞き出したりする思いやりが必須になってくる。

最後に、変化に柔軟に対応できる人も挙げられる。基本的に病院の看護では、ある程度の動きや担当が決まっている。しかし訪問看護は、訪問先の患者の疾患は多様にあり、一人ですべてをこなさなければならないため、高い柔軟性が求められるのだ。こうした状況が平気な人は、向いているといえるだろう。